しばらく故郷であるアルゼンチンに帰っていたCarlosが日本に戻ってきて、今日は久しぶりのレッスンでした。La Fiestaに参加させてもらえることを話したらとても喜んでくれて、レッスンにもより熱が入ったような気がします。
ギターを弾きながらレッスンしてくれるのですが、目の前で弾いてもらえる生ギターの音と、ライブで誰かに弾いてもらうときと違って対面なので、その指捌きにも見とれちゃって、気がついたらCarlosがひとりで歌っていた・・・なんてことがよくあります。そうなったら途中でやめないでちゃんとフルコーラス歌ってくれちゃう。 やっぱり歌手だよね。。。と思う瞬間です。
今日はダブルヘッダー。レッスンの後は岡田恵子さんのサロンコンサートへ。岡田先生もわたしの恩師です。元関西歌劇団でオペラをやっていた方ですが、ドイツのオペレッタやフォルクスリートを特に得意としています。えっと。。。出会ったのはもうかれこれ20年近く前・・・。ジャズを歌い始めたのものの、声がぜんぜん出なくて、音程もひどくて・・・とあるオーディションで審査をしていた某有名トロンボーニストのかたに「発声からやり直したほうがいい」と言われたのがショックで、友達の紹介でボイストレーナーをしていた岡田先生の門を叩いたのでした。
初めてのレッスンのことは忘れられません。「歌おうと思うな、声を捨てろ、思い切り破廉恥に声を出してみろ」と言われて声を出すうちに、それまで自分が使ったことのない部分が開放されたようになって、声を出しながら涙やら鼻水やらがぼろぼろ出てきたのでした。終わって帰ってからも放心状態だったことをよく覚えています。「ドラゴンボール」という漫画で「気を開放する」という表現がでてきますが、ホントにそんな感じでした。
で、しばらくボイスのレッスンに通ううちに、「こんな唄も歌ってみない?」と言われたのがドイツフォルクスリートでした。先生にくっついてビアホールで歌うようになり・・・けっこう長い期間歌っていました今思うと、ホントに無謀でした、曲によってはいわゆる声楽の音域の歌もあるし、ドイツ語だってまったく話せなかったのに。今はまったくそのジャンルを歌うことが無いのですが、その経験は本当にいま肥やしになっていると思います。人前で歌うこと、「声」を意識すること、「君、どこ(音大とか芸大・・・)でてるの?へえ・・・どこも?!」なんて意地悪言われること(周りは音楽大学でた人ばかりだったので)・・・いろんなことを経験させてもらいました。それがきっかけでそのあと、声楽もそう少し基礎からレッスンを受けたりしました。(こういうの”泥縄”って言うんですよね・・・)
なので・・・今日本当に久しぶりに、レッスンに通っていた六甲のスタジオに行って、相変わらずパワフルでセクシーな岡田先生の唄をきいて、で、一緒にドイツ語の歌うたって・・・帰り道にはいろんな感情が押し寄せてきて不覚にも涙が・・・・いかんいかん、歳かなあ?
だけど、どちらかというと他人とかかわることが得意なほうではないし、積極的とも言いがたい自分の性格を考えると、それでも唄に関してこれだけいい出会いに恵まれてきたことに本当に感謝したい・・そう思いました。
あらら。。。なんだか感傷的ですね・・・湿っぽいのはだめよ。
あー、でも今日はとてもよい一日・・でした。
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