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月別アーカイブ: 12月 2023

来し方行く末のことども思ひ続け給ふに

12月20日のJKCafe、そして本日27日のSOENでのライブに来てくださった皆様、ありがとうございました。2023年のライブ納めでございました。兎にも角にも、一年元気に(いや、コロナ感染でライブに穴を開けたことは痛恨の極みでしたが)歌い続けられたことに感謝です。

今日は15年ぐらい前にジャズでご一緒していたベーシストが来てくださいました。まあ、そのころの自分の歌がどんなだったか思い出すとただただ恥ずかしく「穴があったら入りたい」気分です。技術的な未熟さももちろん恥ずかしいのですが、その自覚のなさ、「なんとなくイケてるやん」という勘違い、本当に顔から火が出そう・・・。

5年経って今を振り返ってもきっとそうなんだろうな、でもそれは「そうであるべき」なんだろうな、とも思います。超えてみないと見えないものがあるのだ、とポジティブに考えたいものです。

恥を晒し続けることでしか前進できない、それが「芸」
ということで来年も恥知らずで参りますわよ。

 
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投稿者: : 2023/12/27 投稿先 ライブ報告

 

たずねびと

12月14日、Uncle Jamでの池田定男さんとのデュオライブに来てくださった皆様、ありがとうございました。初めましてのお客様も含め、大勢来てくださって感激でございました。

今回も、池田さんがうちののわがままな選曲に応え3本(ジャズギター、フォークギター、ガットギター)のギターを持ってきて下さり、ジャズ、ブラジル音楽、フュージョン、ビートルズにフォークソングと「あれやこれや」ならぬ「あれもこれも」と盛りだくさんの曲を楽しく歌わせていただきました。

今回も「いつも店の前を通っていて看板が気になっていた」というマダムが初めてご来店されて、とても楽しんでくださって本当に嬉しかったです。にぎやかな商店街の中のお店の強みですねえ。それにいつも素敵なポスターを作って店の前に掲示してくださっているマスターのおかげでもあります。ライブハウスにあまり出かけたことがない、生の音楽を聴く機会があまりない、というかたがたまたま通りかかったポスターを気にしてライブにお運びくださり、それをきっかけに「生の音楽」のよさを体感していただけたとしたら、そんな素晴らしいことはありません。

Uncle Jamは音響も素晴らしいですが、今回はとくにマスターにセットリストをお渡しして、「この曲の最後はちょっとリバーブを深くしてください」とか「この曲のギターはこんなエフェクトをかけてください」などこれまたわがままなリクエストをしたのですが、ばっちり応えてオペレーションしていただきました。(飲み物などのサーブでもお忙しい中のご対応、本当に感謝!!!)

アンコールではライブではめったに歌わない「さだまさし」さんの曲をお送りしました。「印象派」という大好きなアルバムの中の曲「たずねびと」。青春時代に通った喫茶店を懐かしみ、昔の記憶がよみがえる、マイナーな曲ではないのに切なさいっぱいのバラードです。

MCでもお話ししましたが、昔々、祖母が西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)前で喫茶店を営んでおりました。私は中学1年生の夏休み、しばらくその喫茶店(住居を兼ねていた)に滞在していました。中学に入ったとたんに健康診断で「腎臓病の疑いあり」とされ、検査入院、経過観察ということで得意科目の体育は見学、入ったばかりの剣道部(後で復活します)も退部、でちょっとふさいでいた時期でした。あれは転地療養?というか気分転換、という親の配慮だったのでしょうか?
とにかく2週間ほど祖母と2人で暮らし、近くに住む叔母や従妹と遊びに出かけたりしました。2階の住居部分はとても狭くて布団を敷いたらもう満杯、ぐらいの広さでしたから、私は従姉と遊びに行かない日は喫茶店のカウンターの隅に座って宿題をしていました。
祖母の店ではコーヒーをサイフォンで立てており、(あれ、最近見ませんね。コーヒー通の方は布やペーパーでのドリップが一番おいしい、とおっしゃいますし。でもあのサイフォンがぼこぼこと音を立ててコーヒーが管から上がってくるあの感じ、本当に絵になると思うんです)コーヒーの香りが大好きになりました。

店には朝はモーニング「おはようセット」、昼はランチ「こんにちはセット」夕方を過ぎると「こんばんはセット」を食べにくるサラリーマンや、午後になると大学生の常連さんが訪れ、恋人同士の会話などを盗み聞ぎながら、ちょっぴり大人の世界を覗き見た、そんな毎日でした。

この「たずねびと」を聴いたときは祖母の店のあれこれ、ドアの重さ、薄暗い店内、ドア横に会ったジュークボックス(若い人は知らんやろうなあ・・・・)、カウンターから見る奥の厨房、忘れかけていた記憶が鮮やかに目の前に現れるようでした。

色褪せて
うずくまる
待つ人のない
たずねびと

気丈だった祖母ももうこの世にはいません。祖母を手伝って(実質切りまわしていたのだと思います)いた叔母はそのころ同人誌などに書く作家で、店の落書き帳(ああ、これも「That’s 昭和」懐かしい・・・)に叔母が記す2、3行の詩や散文もそれはそれは格調高く身に沁みるもので、すっかり感化されたのでした。その後叔母は「華のときは悲しみのとき―知覧特攻おばさん鳥浜トメ物語」や「下関花嫁」などで知られる作家になりました。その叔母も他界してしまい、もう喫茶「エイト」を覚えている人がどれぐらいいるかしら・・・と寂しい気持ちになることもあります。

これは「うちの」の個人の物語ですが、歌にはこうやって全く同じでなくても、もっと言えば歌詞と全然関係なくても何か人の記憶を呼び覚ます力がある、そう思っています。
まあ、記憶は案外都合よく書き換えられてもしまいますが・・・・。

沢山の歌に出会って、それを歌っていること、
それだけで無上の喜びです。
それを聴いてくださる方がいるなんて、幸運以外の何物でもありません。
また次に向けて頑張ります。

ライブ配信(有料)は12月28日までご視聴可能です。今からでも観てやろう!と思われる方は是非。

本日のおしながき
 
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投稿者: : 2023/12/16 投稿先 ライブ報告

 

Happy Christmas

10日は、師匠谷けいこのボーカルスタジオのクリスマスパーティでした。
コロナで何年も開催できず、久しぶりに皆で集まったクリパでした。出会ってから長い時間が経ってもずっと歌い続けている仲間たちに会うのは本当に嬉しいものです。
けれど、世の中を見渡せば前回のクリパの時と何かが変わってしまったよう。どう考えても「良くなった」とは言えません。

自分や他の人が歌うクリスマスソングの夢や希望が、現実の世界では見えにくくなっています。
私は David Foster作曲の 『Grown-Up Christmas List』 を歌ったのですが、歌詞で歌われる希望が見えない今の世界になんだか泣けてきました。

No more lives torn apart
That wars would never start
And time would heal all hearts
Every man would have a friend
That right would always win
And love would never end

そして、コーラスで参加した John Lennonの『Happy Christmas』
war is over
if you want it
war is over now

こうやって歌えば、願えば戦争が終わるなら、どんなにかいいでしょうね。

だから・・・というのでもないのですが、今回の「お題」だった「懐メロ(自分にとっての)」で選んだのは
イーグルスの 『Hotel California』。
ベトナム戦争のさなか、行き場のない若者の心情が見事に表現されている、と思っています。
今の状況と似ているのかどうか、それはちょっとわからないのですが、 『Grown-Up Christmas List』 だけ歌って清らかな気持ちになる・・・という自分への皮肉?反発?・・・・なのかもしれません。

そんな、複雑な思いを抱えつつコーラスで参加した『That’s What Friends Are For』でした。
歌ったとたんに昔の記憶がわあーーーーーっと押し寄せてきて・・・。
多分10年以上前(調べてみたら2008年でした)に発表会のエンディングでこの曲をコーラスしたとき、この歌をほとんど知らなくて沢山Youtube見た中で、この4人のバージョンが一番気に入っていました。
https://youtu.be/rJbw8wlEssI?si=i01SSGr5yn8PLqqa
その時は左端の人だけ知らなくて、でも4人の中でも突出して「歌いだすと空気が変わる!凄い!」と感動し、それからLuther Vandrossの曲をたくさん聴き、この人の歌で再発見した「Killing Me Softly」を後の発表会で採り上げた・・・。
https://youtu.be/hR3N7dozv3U?si=2oxPnws0b0-DhoIF
とまあ、ごくごく個人的な思い出なのですが、それがよく言う「走馬灯のように」鮮やかに場面場面まで甦ったことに圧倒されました。
音楽の持つ、スイッチというか記憶や感情の扉を開ける力はやっぱり凄いな・・・・。

音楽について、歌について、
あれこれと考えさせられたパーティでした。

since 1969 の歌詞に合わせ、フラワーチルドレンファッションにしました。
 
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投稿者: : 2023/12/14 投稿先 ライブ報告, 音楽

 

疾走中です

走っております。毎日何かと闘っているようなそんな感じです。
ということで遅くなってしまいましたが、12月1日(ああ、もう1週間以上経っている!!)の浜大津パーンの笛でのLa Fiestaライブに来てくださった皆様、ありがとうございました。
初めてうかがった「パーンの笛」、ママの温かい笑顔、落ち着いた雰囲気、心からくつろぐことのできる素敵なお店でした。

「コロナ以降ノンアルコールカクテルを充実させた」とおっしゃるノンアル、アルアル(アルコール入りという意味ね)、選べるカクテルがずらり。ネーミングがまたよくて、いろんな曲名や映画タイトルが盛り込まれています。わたしはもちろん「イパネマの娘」を頂きました。

なんと驚いたことに、ママさんは2006年(ブログを遡って日付を確認して卒倒しそうになった・・・・)の「浜大津ハロウィン かぼちゃコンサート」にLaFiestaが出演させていただいたとき、イベントの運営に携わっておられ、演奏を聴いてくださっていたのだそうです。長い時間をかけ、ご縁が繋がったようで本当に嬉しいですね。

https://luckynobee.com/2006/10/29/%e6%b5%9c%e5%a4%a7%e6%b4%a5%e3%83%8f%e3%83%ad%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%83%b3/

うちのは、初めて乗車した京阪電鉄の京津線(けいしんせん)に大興奮でありました。
山科から乗り換えてレトロな2両編成に揺られていましたら、なんだか速度がものすごくゆっくりに・・・・「え?なんで?何かあった?」と窓の外を見やると・・なんと!いつの間にか電車が路面電車になっているではありませんか。

これも、2009年、こちらは嵐山音楽祭に出演したとき「嵐電」で経験しておりましたが、
https://luckynobee.com/2009/09/27/%e7%ac%ac%ef%bc%92%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%89%e3%81%af%e3%81%84%e3%81%84%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%8c%e3%81%84%e3%81%a3%e3%81%b1%e3%81%84/

こんな電車がこんな近くで他にもあるなんて!全く知りませんでした。
LaFiestaのお陰でいろんなことを経験させてもらっているなあ・・・。
ご縁に感謝です。

パーンの笛は、次回来年3月16日に出演いたします。
またいろんな出会いがありますように。

 
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投稿者: : 2023/12/09 投稿先 ライブ報告