8月から、「Casa do Choro」という、リオデジャネイロにある音楽学校のオンライン講座のボーカルコースを受講していました。週1*15回。毎週課題曲を仕上げて皆の前で歌うのですが、知らない曲ばかりだし、リズムや音程が取りにくい難曲ばかりで、練習時間の確保に四苦八苦しながらなんとか一度も欠席せずに受講できました。最終日にはポルトガル語のクラス(私が受講していたのは日本語に通訳していただけるという贅沢なコースでした)と合同の発表会。ブラジルだけでなく、ポルトガルやハイチからの受講者の方もおられ、皆さんの歌だけでなく、後ろに映っているお部屋などにも興味津々でした。歌うことについてのAmeria先生の締めくくりのお話も、心に沁みて、本当に受講してよかったな、と思いました。
「Casa do Choro」は多くの楽器のコースもあるのですが、受講生、講師みんなで大合奏をする「Bandão(バンダゥン)」というものがあります。合同発表会のようなものですね。コロナ以降世界中で行われているオンライン合奏ですが、同時に演奏することは音・画像の遅延がありまだまだ技術的に難しいので、それぞれがテンポを合わせて録画したものを編集するわけです。録画であってもおそらく音や映像のズレは生じるわけで、編集してくださっている方のご苦労はさぞや・・と思います。
「音楽は生じゃなくちゃ」と思っているところがあって、前に松本隆さんが呼びかけて「瑠璃色の地球(松田聖子さんの歌った曲で、合唱曲としても人気です)」の動画を募集していた時も「うーん、家でカラオケで録画してもなあ・・」なんて迷っているうちに締切日が来てしまったこともありました。今回も、「時間ないしなあ・・・・。でもせっかくだからエントリーしてみるか」ぐらいの軽い気持ちで録画撮りしてデータを送っていました。
出来上がった映像を見て、音を聴いて、なんともいえない温かい気持ちが湧き上がってくる、というか温かさに自分が包まれる思いでした。小さな子どもさんもいる、お年を召した方もいる、人種も、性別も、衣装も、さまざま。世界中で同じ音楽を聴いて、練習して録画して、それが一つになっている。
ああ、音楽っていいなあ・・・と。
そんな大きなハードルがあるわけじゃない、一生に一度、満を持して清水の舞台から飛び降りることを考えるよりも、目の前に現れた小さなチャンスに臆せず挑戦していくことが大事だなあ・・・と思った次第です。
さあ!ウォーリー君を探せ!よろしく、うちのを探してください。何度か登場しております。
曲は Rancho do Tempo(ハンショ ド テンポ、時のハンショ。ハンショというのは古いサンバのリズムの一つです。)「サウダージ」溢れる美しい曲です。
ヒント:自宅の防音室で録画しました。ブラジルの国旗や書家の方に書いていただいた「唄」という色紙を飾っております。(追記:再度確認したところ、国旗はほとんど映っておりませんでした)