しばらく綴らないあいだにいろんなことがありました。
昨日まで叔母の葬儀のために鹿児島に行っておりました。遠い昔、中学1年生の時に西鹿児島駅前で喫茶店をしていた祖母のところに2週間足らずの間滞在したのですが、叔母はほぼ毎日お店の手伝いに来ており、お店が空いているときに随分いろんな話をしました。特に印象に残っているのは、そのころ好きだったフォークソングの歌詞についての話。小説を書いていた叔母の深く鋭い洞察に大いに影響を受けました。少しずつおとなになっていく多感で混沌とした時期。そのころ漠然と文章を書く仕事に憧れていたわたしにとっては本当に貴重な時間でした。
その後はあまりゆっくり話す機会のないままになってしまいましたが、叔母は平成2年に小説『下関花嫁』で第18回南日本文学賞を受賞、特攻隊兵士たちから母と慕われた女性・鳥浜トメの物語や、数々のエッセイを書きつつ、鹿児島の地で後進を育てました。
いつでも明るく、前向き。私の中では「自分の不幸は笑いとばし、他人の不幸には黙って寄り添う」そんな人だったと思っています。晩年認知症の祖母を最期まで看取ったのも叔母でした。直接言うことができませんでしたが、そんな叔母を心から尊敬していました。
「叔母さんありがとう。安らかに。」
そう言ってお別れしました。
合掌。