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しあんくれーるの思い出

22 4月

長くなると思いますし、音楽とあまり関係ないので、タイトルで興味惹かれなかった方はどうぞ読み飛ばしてくださいね。

先月1週間ほど入院していたのですが、同級生がお見舞いに・・・と1975年のスイング・ジャーナルを持って来てくれたのです。

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1975年特別号。ジャズピアニスト特集です。で、ぱらぱらとめくって眺めていたところ、広告欄に懐かしい店が・・・。

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もう建物も残っていないそうですが、1956年からあったジャズ喫茶の草分け的なお店だったそうです。一度だけ行ったきりなのですが、わたしにとっては、ほろ苦い青春の思い出の店なのです。

あれは中学三年生の頃、無駄に多感だったわたくし、夏休み前になると書店からもらって来ていた「新潮文庫の100冊」という小冊子で見た高野悦子さんの「二十歳の原点」のタイトルに惹かれ、読んで衝撃を受けました。

どう衝撃を受けたか・・・ということは思い出そうとすると、あまりの青臭さに赤面してしまうばかり。とても今ここに記す勇気はありません。
本当に本当に失礼な言いかたなのですが、年齢を重ねて今読み返すと「自殺なんてしないで逃げ出すなり、なんとかやり過ごすことはできなかったものなのか。そうしたらきっと楽しいことが沢山待っていただろうに」と思ってしまうのですが、何度も言いますが「無駄に」多感だったその頃の自分にとっては、 「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。」で始まる、自死してしまった現役の大学生が日々の悩みを赤裸々に綴った日記に、もう、なんというか絶望やら憧れやら恐怖やら、受け止めきれない感情を呼び起こされたものでした。

で、その高野さんの日記の中に「しぁんくれーる」で音楽を聴きながらコーヒーを飲むシーンが何度も出てきまして、ちょうどジャズを聴き始めたころとも重なっていたので、「いつか行ってみたい」と思っていました。

今では仕事が終わってから京都へ移動、日帰りライブで終電帰宅・・もしょっちゅうの生活ですが、そのころ「京都」というのは、「遠足で行く場所」。めったなことでは、しかも一人で行く、なんて考えられなかったのです。本では正確な場所もわかりませんでしたし。

高校生になって「ピア」たっだか「エルマガ」だったかを見ていたときに上の写真の広告を見つけた時に初めて住所がわかり「これは行かねば!」となったわけです。

秋だったと思います。学園祭のシーズンで確かたまたま通りかかった京都府立医大の学園祭のほんの入り口に恐々入ってみたり、御所の周りを散策したりしながら、お店を探しました。

見つけた「しぁんくれーる」、1階はクラシック喫茶、2階がジャズ喫茶でした。ドキドキしながら2階の席に座ってコーヒーを飲みました。「高野さん、やっと来ました」という思いと、一人で喫茶店、しかもジャズ喫茶というシチューエーションに、すっかり大人になったような気分になんだか誇らしげな幼いわたくしでございました。

ただ(ただ・・と否定する必要もないのですが)、大きなスピーカーから流れていたアルバムがマリーンさんの「サマーナイト」だったんですよねー。マリーンさんは大好きではあったのですが、「サマーナイト」はラジオで何度も聴いていましたし(売れに売れていましたから)、ジャズ喫茶というからにはもっと「ジャズジャズしい」音楽が流れているものと思っていたものですから、少々拍子抜けしたのは確かです。気分としては「Left Alone」なんかがぴったりだったかなあ・・・。(勝手な客)

あ、でもわたくし、ソロでお店でお酒飲んだり食べたりするの平気な方なのですが(平気、というかわりと好き)この時がデビューだったのかもしれません。

そして時は流れ・・・・・。そうですね、10年以上は経っていたでしょうか、京都に行く機会がありまして、「もう一度しあんくれーるに!」と心に決めていたのですが、もう住所がわからなくなっていて、記憶を頼りに探し回りました。けれど覚えているはずの場所に行ってもありません。諦めきれなくて交番で尋ねてみたのですが、やっぱりわからず。

今回、この広告を見てやっとわかりました。わたし、うろ覚えで、御所の西側の通りをずっと探していたのですが、東側だったのですね。府立医大病院の近くだったのだからそこを探すべきでした。

こんな感覚、インターネットがある今の若い方には考えられないことでしょう。スマホでちょとググれば店の場所も、他の情報も簡単に手に入りますものね。

雑誌をプレゼントしてくれた友人はもちろんこんな思い出を知っていたわけではありません。けれど、遠い青春時代を懐かしく思い起こすことができる程度に時間を重ねてきたこと、それが如何に幸運なことか、ということを教えてくれた素敵なプレゼントでした。

 
 

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