Uncle Jamでのライブにお越しくださった皆様、ありがとうございました。リオ五輪も近いので、ブラジルもの少し多めでお送りしました。ボサノバはカフェとかブティックとか本当に街中いたるところでBGMで流れているので、耳馴染の曲も皆さん多いことと思いまして、久しぶりにブラジルのカントリーミュージック、ムジカ・セルタネージャMúsica sertanejaとか、ムジカ・カイピーラMúsica Caipiraと呼ばれている曲を1曲お送りしました。
Romaria-Renato Teixeira
「ロマリア」じゃなくて「ホマリア」と読みます。単語の最初のRはハヒフヘホを喉の奥で発音するような音になります。なので、このアーティストは「ヘナート・テイシェイラ」、リオ・デ・ジャネイロは「ヒウ・ジ・ジャネイロ」という具合。お金の単位の「レアル」は「ヘアル」
閑話休題。Romaria とは「巡礼」のことです。生活が苦しい田舎の農夫が馬に乗って巡礼の旅をします。
父親も農夫だった
母はいつも孤独だった
兄弟たちはあれこれ挑戦してみたりしたけれど、結局なにもうまくいかなかった
周囲の者に勧められて、祈りをささげにやってきました
マリア様、どうか私のこの真っ暗な鉱山を走る人生の列車に、光を灯してください
わたしはピラポラ村の田舎者
お祈りの仕方すら知らない
だから、この眼差しを、この眼差しを、あなたに捧げます
オリジナルはRenato Teixeiraですが、Elis Reginaが歌って、誰もが知る曲になったとか。
この曲を聴いたり歌ったりすると2冊の全く違う小説のことをいつも想います。
一冊は石川達三の「蒼氓」。神戸からブラジルへ移住すべく全国から移民収容所(移住の審査や手続きをした施設)に集まってきた人々の一週間あまりを中心に描いた小説です。その小説に出てくるブラジルへ向かう人たちも、多くは貧しい農家の次男、三男、継ぐ農地もなく、新天地に夢を託す人たちでした。といっても、移住後もほとんどの人はコーヒー農園などに雇われ、とても苦労されたと聞きます。
もう一冊はパウロ・コエーリョの「アルケミスト」こちらは、作家がブラジル人ですが、舞台はスペイン。現代版星の王子様を思わせる不思議なファンタジー小説です。
星の数ほどある歌、たくさんの素敵な歌に出会えますように。
音楽の神様の巫女になって、素敵な歌を皆さんの元に届けることができますように。
次回のUncle Jam での市川さんとのライブは9月2日(金)です。