カソリック芦屋教会にコンサートを聴きに行きました。信仰は持っていないうちのでも入れて頂けました。(コンサートに限らず、教会にはどなたでも・・・と書いてありました。)
高山右近と南蛮音楽
http://www.reiyorita.com/concert/151004.html
高山右近、と言えば「キリシタン大名」で、戦国時代に摂津高槻城を治めていて・・・ぐらいのことしか知りませんでした。織田信長亡き後、豊臣秀吉の伴天連追放令で、隠遁生活、最期は江戸時代になんと国外追放処分で(そんな処分が当時あったとは・・)マニラに渡ったなんて、今日神父様のレクチャーで初めて知りました。
もっと驚いたことは、ザビエルが400年前にキリスト教をもたらした・・・というのは日本の小学校を出た人なら誰もが習う歴史ですが(ですよね?)、一緒に教会音楽もちゃんと入ってきていて、17世紀に長崎で出版されたキリスト教の作法とか祈り方を解説した「サカラメンタ提要」という書物に聖歌が19曲も楽譜付きで載っていたのだそう。
右近が開いた教会では、親が信徒になったために寺子屋を放校になった子どもたちのために教育プログラムも実施。その中には聖歌にもかなり時間を割いていた・・・・。ラテン語の読みをそのままカナにしたり、読みを活かしながらも日本語の意味が通るように(すごい!)したものも・・・。
よっぽどの高貴な身分の人以外は、西洋音楽との出会いは開国した後だと思い込んでいました。
400年も前にラテン語でグレゴリオ聖歌歌ってた子供たちがいたとは・・。
という歴史のお勉強になっただけでなく、アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニの演奏がそれはそれは素晴らしく・・。歌はテノール2、バス1、ソプラノ1、メゾ1。楽器はヴィオラ・ダ・ガンバ、サクバット(初めて見ました。トロンボーンの前身というか、ラッパの径が小さいだけで全くトロンボーンだった)2、コルネット(古楽なのに?と思ったらこれも小さいトランペットじゃなくて、角笛でした。)2、オルガン。
どの楽器も音程がちょっとしたことですぐ狂ってしまうのじゃないかな、と思われる繊細そうな楽器ばかり。オルガンは、ミーントーンといって長3度が美しく響くように調律してある、と解説がありました。その分他の音程にしわ寄せが来るんです・・・とも。解説で弾いてくださった調3度、(ド・ミ)本当に濁りがなくて溶け合うよう。
聖堂で響く聖歌と古楽器、鳥肌が立つほど美しいものでした。教会に通う方たちの合唱も加わり、教会の中は温かくて眩しい光がいっぱいにあふれているようでした。
厚かましくも、終わってからオルガンを見学させていただきました。
電気式(もちろんここは現代アレンジ)で、常に笛部分に空気が送り込まれた状態になっていて、鍵盤を押すことによって穴をあけて空気を遠して音を出しているのだそう。パンフルートにも似た温かい音色でした。
「いやあ、音楽って本当にいいものですね。」
水野晴郎さんの口調で言ってみたくなる、本当にいいコンサートでした。