様々な人が出入りする某「施設」で仕事をしているのですが、建物を出ようとしていたら、男性に呼び止められました。
「あの、これ・・・」という男性の手には「文鳥」。まだ産毛の残るかわいらしい白い文鳥。
「どこからか迷い込んできたみたいなんです。どうしましょう。」
いや、どうしましょうって・・・・どうしましょう?
外にいたみたいだし、預かっても困っちゃうし・・・。
まごまごしているうちに、急ぎの用事があったのか、男性は去っていきました。
「このまま外に放したら大きな鳥にやられて死んでしまうと思います。」
と怖いことを言い残して。
うちのの手にちょんと乗った文鳥は、珍しいのか、お腹が空いているのか、指や爪をがしがしとかじってきます。
「痛い、痛い、いたあい!かじっちゃダメ」
鳥が見えなければアブナイ人のようにしゃべりながら右往左往するうちの。
結局、自然保護関係者から”飼われていた鳥に間違いないので、野性に返すことは不可、警察では拾得物として預かってくれる”、というアドバイスを受けました。
知ってました?「生き物」も拾得物になるんだそうです。
書類用のプラスチックかごを二つ重ねて即席の鳥かごを作って、そこに文鳥をいれてパイクに載せました。
鳥を飼った経験のないうちの、「いや、バイクのエンジン音なんかすっごいストレスになって、警察署についたら文鳥ぐったり・・・なんてことになりはしないか」と考えると怖くて、信号待ちの時には、「おい、大丈夫か?!」と話しかけつつかごの隙間から指を入れて、元気に指に噛み付いてくる文鳥クン(ちゃん?性別は不明)に安心したりしながら、、周りを走る車の迷惑も顧みず、超スロースピードでヨタヨタとバイクを運転して警察署につきました。
ひととおり書類を作り終えて 「それではこちらに」と案内されたのは、車庫のようなところ。犬や猫が数匹います。鳥かごもありました。どうやら生き物の「拾得物」の預かり所のようでした。係りの女性2名は犬たちにも「元気かい?」と話しかけています。鳥かごに文鳥を入れながらも、女性たち、「めっちゃかわいいわあ・・・」と。無邪気に餌をがっつく文鳥クン。やっぱりお腹すいていたんだあ・・・。
帰り道、あの動物達、飼い主が現れなかったらどうなっちゃうんだろう・・・と思うと胸が痛くなりました。
これが昨日の出来事でした。
そして、今日、無事に飼い主が現れたんです。雨の中、わざわざ飼い主さんが知らせに来てくださいました。「だめもとで警察に電話してみた」と・・・。
やさしい飼い主さんと再会できてよかったよかった。ねえ、文鳥クン。
飼い主さん、お礼を言ってくださったのですが、そもそも、うちのに文鳥を手渡した男性が保護したわけです。(水もやったと言っていたし、その方が言い置いてくれなかったら、何も知らないうちのは「おうちにお帰り」と外に放り出していたことでしょう)連絡先などを聞かなかったことが悔やまれます。きっと男性も心配していると思います。
ほんのわずかな時間一緒にいただけですが、
キュートな文鳥にすっかり恋をしてしまったうちのでした。
調べてみましたら、「白文鳥」という種類のようです。
白い身体に桃色のくちばし。
ネットでたくさん写真を見ましたが、ちょっと目つきがきつい子が多いような・・・。
昨日の文鳥クンが断然可愛かった!と断言するうちのは、「にわか里親(もしくは一瞬保護者)バカ」でございましょうか。
でも本当に可愛かった。
というお話でした。